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2018年8月19日 (日)

葉山ハーモニーガーデンへ!⑧ ‐道中記‐

くにたちから葉山へのルートは、中央道から環八、第三京浜へと乗り継ぐのが一般的。でも、下山様が教えて下さった「おすすめルート」は、圏央道と海岸沿いの国道を乗り継ぐ「郊外型」。都内は混むし、ジャックとダンディにとっても良い景色ではないし、と温かなお心遣いをいただいた形です。そして、レッスンするにも、渋滞回避のためにも早朝の到着を、とのアドバイスも。

仰るとおり、と当日朝は5時出発で、7時到着を目指すことにしました。飼育員はそれぞれ、まだ月の煌々と照るうちに自宅を出て、くにたち馬飼舎集合は4時半。

日頃飼育員がやってくるまで数時間はある時刻。2頭はまだぼんやりした寝ぼけ顔でした。前の日に、出かけるばかりに支度しておいた馬運車にすぐさま2頭を乗せて、顔下に朝の餌をセット。普段、1時間ほどをかけて食べる量なので、朝餌の間に道中の半分は移動できる寸法です。

国立府中インターから中央道を少し行くと、もう圏央道とのジャンクション。厚木・茅ヶ崎方面へ分岐して一路、南下する高速道は真新しくて走りやすいし、空いてるし、朝の空気はまだ涼しいし、で快適なドライブです。馬たちは下を向いて干し草を拾っては、顔をあげ、窓の外を見ながら咀嚼したりしていて、のどかなもの。あっという間に茅ヶ崎海岸出口に着きました。ここまでが丁度、1時間くらい。湘南、近いです!

ここからは、海沿いをひた走る国道134号線を東進。朝日に向かって走ります。新江ノ島水族館近くでコンビニ休憩。車外は海辺らしい濃い陽ざしで、今日も暑くなりそうです。

馬運車の中では、運転席側がダンディの、助手席側がジャックの定位置。なので、往きはダンディが海側、復路はジャックが海側です。オーストラリアの東海岸からさほど遠くないカーブルックという町で生まれた2頭だけど、そこは港町というわけではないし、日本に来るのに海寄りのブリスベーン空港から飛行機に乗ったはずだけどコンテナに載せられていたというし、で、海を見るのはたぶん、これが初めてのはず。どんな反応かしらと少し期待しましたが、朝の相模湾は穏やかで波がしらも立たず、一面の、空を映した青。ダンディの目にはどう見えたのか、これといった感慨もないようすで、ま、だいたいがこんな調子の馬、です。

鎌倉を過ぎて逗子に入るころから丘陵の裾と海岸が接するような地形に変わり、いわゆる、逗子や葉山のマリーナらしい景色に。目的地はもうすぐ、です。下山様からは、「分かりにくかったら、連絡ください!」と細やかなお心遣いのメッセージが届きます。

国道から山側に折れると細い道が分かれていて、少し迷いました。急坂を目の前にして「こっちでいいのかな?」と不安になり麓の竹林で作業なさっている方に訊くことに。葉山ハーモニーガーデンのパンフレットを指して「ここへ行きたいんですが...」というと、怪訝そうだったその方が、パンフの馬の写真を見るなり、「あぁ、ウマ?ウマならここ、あがってったとこ!」と力強く教えて下さいました。そのようすから、ウマたちがすっかり地元の方々にお馴染みなのが分かりました。

丘の裾を巻くような急坂をあがると、下山様ご一家が手を振って出迎えて下さるのが見えました!思わず、お久しぶりです!と、ホントに来ちゃいました!とが混ぜこぜの「おはようございます!」になりました。

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下山家の母屋前に馬運車が着くと、隣接する厩舎のタロウとルーカスも出迎えてくれてました!瓦屋根の立派な厩舎!和の建築は夏、涼しくて、冬、暖かく、ウマに優しい建物だし、何より、鹿毛(で良いのかな?)の2頭に良く似合います。いいなぁ!

このあとすぐ、ジャックとダンディとが代わる代わるご挨拶に行って、葉山ハーモニーガーデンでの濃い半日が始まることになるのですが、そのことはもう、詳しく書いたので、良かったら前の記事をご覧くださいな。

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朝、ジャックとダンディが挨拶に行った時には厩舎の中で引っ込み思案にしていたルーカス(奥)も、帰る支度をするころには、気にして顔を出してくれました!次は、一緒に馬場を駆けられたら楽しいね!今日は、ジャックとダンディへの気遣いから、厩舎を出ずじまいでごめんなさい!

楽しい半日があっという間に過ぎ、そろそろ夕方の渋滞が気になる時間に。お別れを惜しみつつ、2頭と飼育員は帰途に着きました。去りゆく馬運車を見送るようにシャッターを切って下さった一連の画像、「さようなら~!」の声が聞こえるようです。次にこの坂を上る日はそう遠くない、と飼育員は思いました。

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帰路も往きと同じルートを辿り、海側になったジャックは、夕方の白波立つ海に少し目を見張ったりしていて、何かを感じたよう。振り返れば、海を見たことも、長いドライブも、葉山ハーモニーガーデンでのたくさんの体験も、タロウとルーカスとの出会いも、この半日の全てがジャックとダンディにとって新鮮で心地よい刺激だったようです。

午後2時過ぎに葉山を出発し、夕方4時半ころ、くにたち馬飼舎に帰り着きました。帰りの車の中では、首を下げて休んだりもしていた2頭ですが、往きよりも熱心に車窓の景色を眺めていて、やはりこの半日の経験が2頭の好奇心を高めたように感じました。

葉山ハーモニーガーデンの皆さま、温かなお誘いと篤いおもてなし、細やかなお心遣いの数々、何から何まで、本当にありがとうございました!また、伺わせてください!

☆画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月17日 (金)

葉山ハーモニーガーデンへ!⑦ ‐ジャック&ダンディとの絆その3 これから‐

葉山ハーモニーガーデンには2頭の駿馬がいます。タロウ(対州馬)とルーカス(中間種)です。タロウは13歳、ルーカスは17歳でともにオス。(詳しくはこちら https://hayama-harmonygarden.com/
ジャックとダンディの乗った馬運車が着くのを下山様ご一家と一緒に出迎えてくれました。間近で会うとやっぱり大きくて、ウマらしい存在感を放っています。より大型のルーカスの方が強気なのかな?と思うと、そうではないそうで、初めて出会う小さなジャックとダンディにも怖さが先に立ち、厩舎の中をそわそわと回ってお顔を出す余裕がないようす(さらに詳しくは葉山ハーモニーガーデンのブログで /hayama-harmonygarden.com/2018/08/02/ )。一方のタロウは好奇心の方が先に立つタイプとのこと、同じく興味津々のダンディがまずあいさつに行きました。

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上の画像がまさにファーストコンタクト。数秒後が下、です。タロウの耳と鼻先に緊張が見えたものの、すぐコミュニケーションが始まったようです。

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お互いの耳がまっすぐ前を向いて、受容し合っているようにも、間合いを測り合ってるようにも見えます。

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次いでジャックとのファーストコンタクト。なんだかお互いに緊張が少なく平和な感じです。

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数秒前の上の画像とあまり変化がなく、最初から張りあう空気のない友好的なムードかも。

馬は群れで暮らす生きものなので、互いのコミュニケーションはとても細やかだし、他者との関係でキャラクターが決まってくる面もあるようです。たとえば、ジャックとダンディは長く2頭きりで暮らしてきたけれど、他の馬に出会うチャンスがあると、普段はダンディに甘えてばかりのジャックが、その馬とダンディとの仲を取り持とうとして調整役を演じたり、普段はない大人っぽい振る舞いを見せたりするのです。群れのメンバーとの関係や環境に応じて、いろんな面が多彩に引き出されるのだとしたら、ウマとしても様々なシーンに出会える方が楽しいし、豊かな生だと思うのです。飼育員としても、馬たちの色々な面が見られたら楽しいし、タロウとルーカスにも役立てるならとても幸せなことです。

今回は、まだ初めてだからということで、タロウとルーカスは厩舎に入ったままだったのですが、これから一緒の時間を積み重ねていって、「群れ」の絆を作って行けたら嬉しいです。4頭で馬場を駆け回れたら、それは素敵な騒ぎになりそうだし、普段はそれぞれ2頭で支えているものを、4頭で分かち合ってラクな気持ちになれるのかも知れないし。

そうして、くにたちのジャックとダンディが、「タロウとルーカス、どうしてるかな?」と葉山に想いを馳せるような関係が創れたら、と夢は膨らむのです。

絆編は今回で終わり、次回は道中記、を。

☆画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月16日 (木)

葉山ハーモニーガーデンへ!⑥‐ジャック&ダンディとの絆その2 2018.8.1という日‐

葉山から届いたパンフレットには、グランドワークについて「馬に乗らずに地上で馬のボディランゲージを読みとり、私たち人間もボディランゲージで馬とコミュニケーションを図る、馬の心理学と行動学に基づいたトレーニング方法です」との説明や、「ホースハーモニーは新しく考案されたメソッドです。ホースとボディランゲージで対話しながら心を通じ合わせ、一緒に歩くだけで感動的な体験ができます」という星山先生のコメントが盛り込まれていて、飼育員は惹きつけられました。(プログラムなどについて詳しくはこちら https://hayama-harmonygarden.com/  )

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2018.8.1朝 馬運車から降りたばかりのジャックをタロウとルーカスが出迎えてくれています 

というのも、飼育員がジャックとダンディに出会い、活かしてい行く道を模索し始めた14年前から、「ふれあい」や「セラピー」が常に念頭にありました。小さい馬であること、穏やかな性質、親しみやすさ、車での移動が容易なこと、などなど、2頭の特徴を活かすには最良の道に思えたからです。飼育員に乗馬経験がないこともあって「乗馬」にこだわりはなく、それよりも、ずっと昔から人間の伴侶だった馬との心の絆を改めて取り戻すような体験に活かしたい、との想いを温めてきました。ところが、「ホースセラピー」というと、厳密さを追求するにしてもカジュアルに流れるにしても、つかみどころのない感じで、「これだ!」と思えるメソッドやプログラムに出会えないままでした。そうこうするうち、2頭は16歳になり、それぞれ成長を遂げてコミュニケーションに長けた面を見せ始め、コンビネーションにも磨きがかかり、次なる展開への扉をひらく機は熟しつつあったのです。

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馬運車を降りて憧れの本格馬場へ 

そんなとき、葉山ハーモニーガーデンのオリジナルメソッドである「グランドワークによるホースハーモニー」の詳細にふれて、まさに、「これだ!」と感銘を受けました。その旨をお伝えすると、絶妙なタイミングで下山様から、「大塚千晶さんは素晴らしい先生です。ぜひ一度、うちでレッスンを受けてみませんか?」とお誘いをいただいて、迷わず出かけることにしたのです。今までにない遠出、初めての場所、と心配もありましたが、一方で、この旅で2頭と私たちが出会う新しいことへの期待はとても大きく、きっと時代を画す旅になると、確信にも似た思いもありました。

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もうこんな時間 そろそろ帰らなきゃ、と馬場を後にする2頭 

グランドワークのレッスンは、期待をはるかに超えた新たで豊かな知見を授けてくれました。ジャックとダンディに秘められた高い知性と豊かな感性、本格馬場で一層映えるバランスの良いプロ―ポーションと走る姿の美しさ、お出かけ慣れした落ち着きなどなど、先生や下山様ご夫妻から嬉しいご感想もたくさんいただきました。そして何より、馬の知性と感性に働きかけ、馬の意思を尊重してコミュニケーションを楽しもうとする大塚先生と下山様ご夫妻の姿勢、豊かで温かなお心がとても魅力的でした。これこそが私たちの目指したい道、です。やっぱり、この日を境に、私たちと2頭は新しい時代に入ったように思います。

思えば、昨年5月、くにたち馬飼舎で初めてお会いし、私たちの姿勢を見ていただいたとき、「いろんな乗馬クラブに見学に行ったけど、ここが一番、私たちのやりたいことに近いです!」と仰って下さった下山様ご夫妻。同じ想いで一緒に目指して行く、そんな葉山ハーモニーガーデンとくにたち馬飼舎の結びつきのことを改めて思いました。馬たちを囲んで、緩やかな連帯と確かな連携を結んで行けたら、こんなに嬉しいことはありません。

そんなわけで、2018.8.1は、ジャックとダンディのグランドワーク記念日であり、葉山ハーモニーガーデンとのフレンドシップの始まりの日であり、飼育員の行くべき道が照らされた記念すべき日になりました。葉山ハーモニーガーデンの皆さま、本当にありがとうございました!今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

次回は、葉山ハーモニーガーデンの駿馬、タロウとルーカスとの出会いやこれから楽しみなこと、などを書きますね。

☆画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月15日 (水)

葉山ハーモニーガーデンへ!⑤ ‐ジャック&ダンディとの絆その1 出会い‐

葉山ハーモニーガーデンとジャック&ダンディって、どんな結びつきなの?と思われる方もおありでしょう。そこで、その出会い、2018.8.1の意味、これからのこと、などなど、両者の絆についてお話しようと思います。今回は、その出会い、です。
株式会社葉山ハーモニーガーデンを経営なさっている下山様ご夫妻が、ジャックとダンディの住むくにたち馬飼舎を訪ねてこられたのが昨年、2017.5.5。星山麻木先生のお導き、です。先生が代表をつとめられている「こども家族早期発達支援学会」の会員でもいらっしゃる奥様の下山美奈子さんが、ホースセラピーをやりたいとのお志を先生に伝えられたところ、ぜひ、ジャックとダンディに会いにいってみたら?と勧められ、それではと、ご一家でわざわざ訪ねて下さったのです。

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(馬場を、思うままに駆ける2頭)

「数日後には馬2頭が家に来るので、その前にと思って。」と、この日しかないというタイミングでお見えになり、それが出会いになりました。今思えば、なぜ?どんないきさつで?どんな計画なんですか?などなど、ホースセラピーを始められることについてお尋ねするのが筋だったはずなのですが、不思議とそんな前置きもなしに、「あ、そういうの、良いですよね」とか、「こんなところが喜んでもらえてるようですよ」とか、「あぁ、そんな活動を目指したいですよね」とか、具体的な話で盛り上がったり、共感したり、とても濃い時間を共有できたのが印象的でした。呼ばせていただけるなら、意気投合、という感じ。

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(焼けた砂の感触がうれしい!オーストラリア南緯27度生まれだし)

これから施設周りやプログラムなどを整備されるというお話だったので、私たちの活動や小屋のなか、飼育の方法など見てもらえるものはすべてお見せします!とばかりにご案内しました。馬運車の乗り降りも見ていただいたような記憶が。手作りのパンフや冊子、飼育員デザインのロゴマークをはじめ、馬小屋に泊まれるロフトや、小屋に塗りかけていた柿渋まで、ご覧いただくたびに「いいなぁ!うちもこれ、やろうよ!」と乗り気になって下さるご主人の下山良嗣さまには、なんだか私たちが褒められてるようで大いに励まされました。ジャックとダンディのことも馬にお詳しい目でとても褒めて下さり、手探りで続けてきた私たちの有りようが、こんな風にどなたかの参考になったりするんだな、と自信に繋がる出会いでもありました。

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(広い馬場でもつねに寄り添い、シンクロする2頭の挙動)

その後、「だいぶ出来てきました!良かったら遊びに来てください!」とご連絡をいただいたり、ネット上で葉山ハーモニーガーデンの記事が見えるようになったり、どうなさっておいでかしら?と思っていたこの6月の吉日のこと、葉山からパンフレットが届いたのです。そのなかで、出会いの時の「ホースセラピー」という言葉は、グランドワークという新しい方法によって、「ホースハーモニー」という表現に高められていました。紹介されているプログラムは、どれも私たちがお手本にさせていただきたいものばかり。その旨、お礼かたがたお伝えしたところ、とんとん拍子にお話が進んで、8月1日に繋がって行くのです。

次回は、2018.8.1について書きますね。

画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月14日 (火)

葉山ハーモニーガーデンへ!④ ‐グランドワーク体験その4‐

ダンディのレッスンで駆け足を始めたときのこと、木陰で休んでいたはずのジャックが「自分も!」とばかりに飛び入り参加してきて、2頭で円周を回るというアクシデントがありました。そのとき大塚千晶先生は「ジャック、手伝って!」と声掛けをして、今一つ乗り気でないダンディを走らせるよう促しておられました。それがあってか先生は、しりすぼみに終わったダンディのレッスンの続きを、2頭合同で、より走らせやすい小さな馬場で行うべく「上の馬場に移りましょう!」と指示されました。今度は引綱は使わず、リリースした状態の馬をボディランゲージだけで走らせるというレッスンです。
まず、先生がお手本を見せて下さいます。合図用に追い鞭を持っていますが、これはむしろ自分の体の延長として補助的に使う感じで、それこそ全身を使って指示を出し続けます。たぶん、馬の走るスピードさえもボディランゲージで合図しているのでしょう。ジャックとダンディはそれに応えて先生を中心に円周を回ります。画像では、ジャックの方が先生の合図に良く集中していて、ダンディを後ろから追い立てるようなしぐさをしているように見えます。だとすると、これは馬同士のボディランゲージですね。

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感心して見ていると、「やってみますか?」と先生の声。「えっ、リード無しで?」というのがまず本音。そりゃ日ごろ、引き綱なしで指示することはあるけれど、それは例えば、餌を待ちかねて柵内でそわそわしている2頭に、「自分の部屋!」と言って、それぞれのいつもの場所へ分かれて入ることの指示だったりして、もともと馬たちのモチベーションが最高レベルにある場合。一通り、身体の使い方を先生から教わってのことではあるけれど、「これ、ほんとにうまくできるの?」と全く自信なし、です。でもせっかくの機会。こんな本格馬場だからこそできる体験でもあるし。

やってみると、馬たちは「シチュエーションからして同じことをやるんだろうな」と理解してくれているようだけど、悲しいかな、ボディランゲージが曖昧なのか、あるいは矛盾してるのか(進めと止まれの合図の両方を出してるとか)、思うように走ってくれません。今、改めて画像を見ると、ダンディは飼育員の方を向いていて、明らかに「?」な感じです。ジャックに至っては飼育員の方を見てもいず、「ダンディが行くなら、自分も行くけど。」的な付和雷同な態度に終始しています。なかなかどうして、馬にとって分かりやすいボディランゲージを体得するのほ簡単ではありません。でも、短い時間でもひとつ、ふたつ、コツのようなものが分かり、じんわりと楽しさが分かって来ました。

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「交替してみたら?」と促されて飼育員が入れ替わり、今度はボディランゲージがうまく伝わって、きれいに円周を回りました!そしてなぜか、画像ではジャックの方が積極的に見えていて意外な感じ。上の例もそうですが、その場では夢中で見えなかった数々のことが、画像を振り返ることで分かって来るものですね。1回のレッスンが2倍、3倍に濃く体験できて、改めて、画像をご提供くださった葉山ハーモニーガーデンの皆さまに感謝!です。

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馬とボディランゲージでコミュニケーションし、一緒に馬場で動きを一つにするグランドワークは、馬と心を一つにする体験であり、生きものとして同じ群れの仲間になったような一体感を感じさせてくれました。「魚や鳥の群れが一斉に向きを変えたり、一群として美しく調和していたり、あんな感じ、ですよね。」と、この直後に先生やスタッフの方々と感想を共有しましたが、まさにそんな世界。群れの一員である安心感や、群れと調和できたと感じたときの満足感のようなもの、それは人が欲してやまないもの、人の心を確かに満たしてくれるもの、に違いなさそうです。(グランドワークについて詳しくはこちら 株式会社葉山ハーモニーガーデンhttps://hayama-harmonygarden.com

グランドワーク編は今回で終わりです。次回は「葉山ハーモニーガーデンとジャック&ダンディの絆」というテーマでいくつか書こうと思います。

☆画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月13日 (月)

葉山ハーモニーガーデンへ!③ ‐グランドワーク体験その3‐

次はダンディとのレッスン。ジャックのときのように「待つ」時間は取らずに、先生はすっと馬場の中央でダンディに対します。引綱を緩く持ち、合図用の追い鞭を携えながらも、それらはあくまでも補助的な道具類で、主要なコミュニケーションツールはボディランゲージ。ここが、葉山ハーモニーガーデンのオリジナリティの中核、グランドワークの最大のポイントです。(詳しくはこちら https://hayama-harmonygarden.com/
ダンディが3歳までをオーストラリアで「ショウ・ホース」として過ごしたことは、この朝、事前に先生にお話してあったためか、先生も最初からかなり高度なテクニックでダンディの反応を引き出しに掛かられ(たように見え)ました。私も一度だけ2頭の故郷でショウを見た経験がありますが、訓練時はいざ知らず、少なくともショウではトレーナーは引綱を持つのみで、観客には気づかないわずかな合図(たぶん、ボディランゲージ)だけで馬を歩かせたり止まらせたり、姿勢をとらせたりしていました。
先生はダンディと向かい合いつつ、流れるような身のこなしで立て続けに合図を出したらしく、ダンディの体も流れるように向きを変えたり、先生に近づいたり後退したり、止まったり、キビキビと反応します。「さすが、ですね。」と先生。私たちもマジックを観ているような不思議さと「ダンディにこんなことができるのね!」という感動で息を呑むほどです。
葉山ハーモニーガーデンのスタッフの方もため息をついておられるので、つい、「私たちはこの14年間、何もしてませんよ!」と余計なことを口走ってしまいました。でも確かに、このパフォーマンスは私たちには未知な世界で、3歳までにオーストラリアで身に着けたもの。下の画像でも、先生の姿勢とダンディの挙動が一致しているのが分かります。今、思い出しても、先生とダンディがダンスをしているかのように滑らかで息の合った動きでした。(ダンディの腰に掛かって見えるのは葛の蔓です、念のため)

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続いて先生は、引き綱のまま円を描いて駆け足することをダンディに求めます。下の画像に注目すると、先生とダンディを繋ぐ引綱は程よくたるんでいて、この指示が決して力によるものでないことが分かります。ダンディも先生のボディランゲージに集中しています。ジャックとダンディとふれあうこどもたちにも、こんなパフォーマンスを間近で見てもらえたら嬉しいし、もし、こどもたち自身が直接、ボディランゲージでこんな風に馬と一緒に活動できたらどんなに楽しいだろう…と夢が広がります。そんなとき、2頭の小ささがもっと活かせるだろうな、とも。

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と、眺めるうち、ダンディは右回りの途中で円周から外れて木陰で休むジャックのもとへ。まだレッスンが始まっていくらも経ってないのに、もう、イヤになってしまったもよう。まだまだやり残したことがあるのでしょう、先生が馬場の中央へ行こうと提案して下さるのですが、ダンディの耳はあらぬ方を向いて恭順を示さず、先生も提案は繰り返しながら決して無理強いはなさらずに、ダンディのレッスンはひとまず終わりました。

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最初こそ、素晴らしい集中力と的確なパフォーマンスを見せたダンディですが、それ以上の先生のアクションに積極的には興味を示さず、再三の提案にも乗らずに休憩を選んだ格好に終わりました。「右回りが苦手で途中から外れたようですね。」と先生。「引っ込み思案で、頑固。」とも。確かに。ジャックのように無邪気には楽しまず、苦手を嫌って、自分から終わらせてしまうところがダンディの一面なのかなと、飼育員は感じました。

思えば、3歳で日本に来てから14年、こどもたちを乗せて頑張ってきたダンディ。頑張り屋の代わりに頑固なのも確かな一面です。逆に、これまで「仕事」をあまり強いられてこなかったジャックの方が、それだけにコミュニケーションやパフォーマンスに対して素直で意欲的な面を持っているのかも知れません。

そんなわけで、大塚千晶先生の丁寧なボディランゲージによるグランドワーク初レッスンは、潜在するジャックのポジティヴな一面とダンディのネガティヴな一面を、鮮やかにあぶり出してくれました。「いつもの2頭の関係性とは逆の個性が見たい」とお願いした、飼育員の当初の要望に見事に応えて下さった形です。素晴らしい腕前なのに、それが技術を土台にしつつも超越して、相手(馬)への理解に根ざしているところが温かく清々しく感じられました。

この後続いて、飼育員も2頭と一緒にレッスンを受けました。そのことは、次回に。

☆画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月12日 (日)

葉山ハーモニーガーデンへ!② ‐グランドワーク体験その2‐

 いつもダンディの後をついて歩くような位置を取るジャックが、大塚千晶先生のご判断で、意外にも先にレッスンを受けることに。先生はまず、引綱をそっと握ってジャックのそばに立ち、時間をかけてジャックが落ち着くのを待ってくださいました。いきなりアクションを起こすのではなく、この「待ってあげる」ことの大切さが飼育員の胸を打ちます。ついつい仕事時など、着いていきなり歩かせることも多かったのです。稀にだけどそんなときにジャックが怒って立ち上がることもあり、何を怒ってるのかさっぱり分からなかったけれど、ああ、あれは「まだ気持ちが落ち着いていないよ。動くにはまだ怖いんだ。」と言っていたのね、と得心。自分の出すサイン(ボディランゲージ)を丁寧に読んでくれる先生に対して、ジャックはすぐに信頼を寄せたようです。
先生の最初のアクションは、馬場の隅で、緩く引綱を持ちながら少し離れてしゃがみ、ジャックに話し掛けるかのよう。でも、実際には無言です。あくまでもボディランゲージで行う馬とのコミュニケーションがグランドワークの要諦であり、葉山ハーモニーガーデンのオリジナルメソッドの魅力です。(詳しくはこちら https://hayama-harmonygarden.com/

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上の画像ではまだ躊躇しているジャックが、数秒後には、下の画像のように先生の足もとへと歩み寄りました!なんの言葉かけも、強制もなく、です。そして、こんな時にも先生は大げさにほめたり、馬に触って「よしよし」したりせず、ただただ嬉しそうに優しく微笑んでいて、ジャックはそれを「感謝」と受け止め、さらなるコミュニケーションを求めてくるような素直さを見せたのです。

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お互いの協力関係ができたらしいところで、先生はゆっくりと歩き始めます。ジャックはごく自然に先生の後ろについて、一緒に歩き、この下の画像のように、どこにも力を掛けられることなくまさに「自らの意志で」、「一緒に歩くことを楽しんで」いました!

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いつもは、ジャックのことを「何に驚いて走り出すか分からない馬」ととらえて、仕事で移動のときなど、引綱と手でガッチガチに押さえることもある飼育員。本当にもう、目から鱗というか、全く新しい世界というか、はたまた、キツネにつままれたようというべきか、心底、感心してジャックが違う馬に見えるほど。そんなジャックのことを先生は、とても素直で、かつ能力の高い馬と評価して下さいました!

でもでも、ジャックの美質を、かれこれ14年も付きあっている飼育員が全く知らないわけではありません。それを引き出す術と、ジャックのボディランゲージを読む知識、こちらから(声や力ではなく)ボディランゲージで語り掛ける知識、について全くの無知だったのです。それがかくも鮮やかに、目の前で、数分のうちに展開されるなんて!素晴らしいの一言に尽きます。

大塚先生のボディランゲージには、今回が初めての私たちには気づくことのできない奥深さがあり、それこそがレッスンを繰り返し重ねる意義だと思うのですが、でも、一方で、「馬の知性と感性を正しく理解しコミュニケーションに活かす」という意味でとてもシンプルなものに感じられました。そのことを、飼育員はこの日、「自分の気持ちと意思を読み取ってくれる人だ!」と分かったとたんに、シュッと先生に向かい、「次はなに?」と先生からのアクションを目をキラキラさせて待つジャックの喜々とした姿からよ~く理解したのです。

レッスンの終わりに先生は、「ジャックにとって最大のご褒美は離れてあげること、ですね。」と仰いました。なんという珠玉の言葉!人にそばに居られることでジャックの中に生まれる緊張をちゃんと先生は読み取っておられたのですね。飼育員は少なからず打ちのめされました。そして「宝の持ち腐れだったね」という反省と、「美質を活かして活躍させたい!」という希望とを、同時に胸に刻んだのでした。

次回は、ダンディのレッスンのことを書きますね。

画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン

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2018年8月11日 (土)

葉山ハーモニーガーデンへ!① ‐グランドワーク体験その1‐

馬の乗らずに、地上のボディランゲージによって馬と心を通わせる「グランドワーク」。葉山ハーモニーガーデンのオリジナルメソッドの核をなすトレーニング方法です。(詳しくはこちら。https://hayama-harmonygarden.com/

専門家の大塚千晶先生の下、日々、研鑽を積まれるスタッフの方から「素晴らしいレッスンですよ。受けてみませんか?」と温かなお誘いをいただき、やってきたのがこの日の朝のこと。

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初めての場所、しかも本格馬場の雰囲気に2頭は始めこそ慎重に歩いたり、気配を伺ったりしていましたが、ほどなく駆け出し、揃って馬場を廻ります。2頭が落ち着くまでのようすをスロープの上の門の外でそっと眺める大塚先生(画面右端上)。2頭の動きからすでにたくさんの言葉を読み取っておられるようです。2頭が走り止むのを見計らって、ゆっくりと馬場を先生が近づくと、ジャックとダンンディも真っすぐに見つめて、これから起こることに興味を示しているらしい風情です。

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このあと、馬たちのこれまでの活動や日頃のようすなどを少しお話し、準備OK。いよいよ、2頭のレッスンが始まります!

あ、その前に、飼育員から先生にお願いした要望がありました。

というのも、ジャックとダンディは2頭で過ごしてきた時間が長いので、関係性が固定するのか、「ダンディ=リーダーで頑張り屋」、「ジャック=怖がりで甘えん坊」の面ばかりが表に出がちなのが気がかりな点。ここはひとつ、先生とのコミュニケーションを経て、ダンディの気張らずに甘える面と、ジャックの臆せずに先頭に立つ面とが、引出されたら嬉しいです、という欲張りなお願い。

それを、さほど無理難題とも受け止めず「はい、やってみましょう!」とばかりに、にこやかな先生。

「ではまず、お二人で2頭を引いて(歩いて)みて下さい。」と言われて、飼育員が馬場を2周ほどすると、先生は見極めがついた、というように「ジャックからやりましょう!」と宣言。

あらら~?。何をするにもダンディからのことが多い飼育員との日常が早くも崩れていきます。実はこの日、たくさんのルーティンが覆され、新たな気づきが生まれることになるのです。

次回は、そんなジャックのレッスンのようすを書きますね。

☆画像提供:株式会社葉山ハーモニーガーデン 

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2018年8月 1日 (水)

葉山ハーモニーガーデンの皆さまに会いに

記念すべきこの日、2頭は葉山ハーモニーガーデンへ旅をしました。相模湾からの風が吹き上る三浦半島の丘陵地に手作りの馬場が連なるそれはそれは素敵なところ。日本に来てからというもの、こんな本格馬場に放たれた経験のないジャックとダンディですが、温かなおもてなしを頂いて、すぐにくつろいで本領を発揮。馬場を駆け回ったり柵から首を伸ばして草を食んだり。水を得た魚のような、活き活きぶりでした。

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今回は、グラウンドワークという『馬に乗らずに地上で馬のボディランゲージを読みとり、私たち人間もボディランゲージで馬とコミュニケーションを図る、馬の心理学と行動学に基づいたトレーニング方法』(株式会社葉山ハーモニーガーデンパンフレットより)の初レッスンを受けることも大きな目的でした。とても濃いその内容のことは、また改めて書くことにしますね。

ここ、葉山ハーモニーガーデンは、馬のオーナーご一家が里山での暮らしと一体の厩舎と馬場を創られていて、人と馬にとってまさに理想の空間が実現しています。夢を形にされた情熱がすみずみにまで行き渡っていて、とても豊かな気持ちにさせてくれます。

そんな素敵なところにジャックとダンディと一緒に旅することができ、素晴らしい体験になりました。詳しくは、また、何回かに分けて書こうと思います。

とりあえず、葉山ハーモニーガーデンの皆さま、温かなおもてなしをありがとうございました!馬場の主のタロウとルーカスには、今日はまだ会うのが初めてだからと、厩舎に閉じ込めてしまった形でごめんなさい!

ぜひぜひまた、伺わせてください!。今度は、4頭で一緒に馬場を駆け回れたらいいなと、夢見ています!

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